ゆるふわクラブ

身の回りの柔らかい日用品をインタフェース化するテクニックの紹介

執筆者:杉浦裕太

概要

 私たちの身の回りにあるソファやクッション,ぬいぐるみや枕などの柔軟物を,秋葉原などにいけば簡単に手に入る安価なセンサやアクチュエータを使ってインタフェース化するノウハウを紹介します.開発環境もArduinoProcessingを利用していきますので,このページを見ながら追実装するのが簡単にできると思います.これらの方法をパッケージしてワークショップを開催することも可能ですので,必要な場合は気軽にご連絡ください.

>>テクニック1:クッションにかかる圧力を計測する
>>テクニック2:薄い伸縮素材の伸びを計測する
>>テクニック3:バネの伸縮を計測する
>>テクニック4:皮膚の変形を使って圧力を計測する
>>テクニック5:皮膚に加わる力を計測する
>>テクニック6:眼鏡で表情を認識する
>>テクニック7:ぬいぐるみの手足を動かす
>>テクニック8:紙を動かす

テクニック1:クッションにかかる圧力を計測する

 クッションやぬいぐるみなどの柔軟物とのインタラクションを計測できるようになることで,体全身を利用したゲーム操作や,居住者の行動を監視できるようになります.ここでは,フォトリフレクタを利用してこれらの柔軟物に加わる圧力を計測するテクニックを紹介します.フォトリフレクタはLEDとフォトトランジスタが組になったデバイスです.対象物からの反射光を読み取ることによって,主に物体との距離を計測する目的で利用されます.今回はこれを綿の密度を計測する目的で利用します.これは,綿に赤外光を照射したときに散乱を引き起こす現象を利用して,この光量を検出することで,綿の密度計測を実現します.これにより,センサ付近の変化だけでなく,綿の深い場所の変化を高速に計測することができるようになります.


図:フォトリフレクタで綿の密度変化を計測

 今回利用するのは,
SG-105というフォトリフレクタです.SG-105は以下の図のような構成になっています.


図:SG-105

SG-105をハンダ付けして,Arduinoに接続できる形にします.このセンサに加えて抵抗が必要となります.今回使用する抵抗値としてLED用に270Ω,フォトトランジスタ用に68KΩを用意しました.このフォトリフレクタモジュールの作成方法をこちらにまとめました.


図:フォトリフレクタの回路図

 フォトリフレクタモジュールが完成したらこれをArduinoに接続していきます.シグナルはA0ピンに指しました.こちらからプログラムをダウンロードしてArduinoに書き込んでシリアルをモニタリングしてみます.センサに物体を近づけると,数値が上昇していき,遠ざけると下降していきます.


図:フォトリフレクタとArudinoの接続方法



動画:センサ値をモニタリング

 さてこのフォトリフレクタの上に綿を被せてみます.綿はユザワヤで売っているつぶつぶ手芸綿という綿状のポリエステルを利用します.先程はターミナルを使いましたが今度はProcessingを使ってセンサ値をグラフ化してみます.Processingのプログラムはこちらからダウンロードしてください.

 

動画:綿に力を加えてグラフが変化している様子

 これまでは1つのフォトリフレクタを使ってきましたが,今度はこれを複数利用することで二次元平面の接触位置とそのときの圧力を算出します.接触位置の算出は質点系の重心の計算式を利用します.センサデータを複数読み込みたい場合はArduinoとProcessingのコードの最初の方にあるセンサ数を合わせてください.


図,動画:接触位置や圧力を計測している様子

 このシステムを応用して開発したアプリケーションを紹介します.


動画:応用例

 これまでは特に綿を取り上げてきましたが,羽毛や自然の綿,さらにはスポンジや羊毛フェルトにかかる圧力も計測することができます.ただこの場合はフォトリフレクタに利用する抵抗値を少し調整する必要がでてきますのでご注意ください.


図:フォトリフレクタで計測可能な素材

 もう少し詳しい情報はこちらをご参考にください.

[戻る]


テクニック2:薄い伸縮素材の伸びを計測する

 続いて,薄くて伸びる柔軟素材の伸び縮みを計測するテクニックを紹介します.これは,
テクニック1で利用したフォトリフレクタを使います.このフォトリフレクタを薄い布に当てます.布を引っ張っていない状態では,赤外光が反射してセンサに戻ってきますが,引っ張ると,編み目が広がり赤外光は布を透過していく現象を利用します.


図:フォトリフレクタで綿の密度変化を計測

 テクニック1で作ったフォトリフレクタを使います.薄い布として,今回は「ストッキング」を選択します.フォトリフレクタの上にストッキングを載せて引っ張ってみてください.ArduinoとProcessingのプログラムはテクニック1のものを継続的に利用できます.ストッキングを引っ張る力に合わせてグラフが下降してくると思います.


図,動画:フォトリフレクタで柔軟な素材の伸縮を計測

 もう少し詳しい情報はこちらをご参考にください.

[戻る]


テクニック3:バネの伸縮を計測する

 バネの内部にフォトリフレクタを埋め込み,バネを引っ張ってみると,この引張動作を取得できることがわかりました.バネを引っ張ると,その隙間から赤外光が漏れる現象を利用しています.このテクニックは,手元に伸縮センサが無いときにバネとフォトリフレクタで安価に伸縮センサを作ることができるのでとても便利です.


図:バネの伸縮をフォトリフレクタで計測


動画:バネの伸縮をフォトリフレクタで計測

[戻る]


テクニック4:皮膚の変形を使って圧力を計測する

 小さい四角窓を作って,それを人間の皮膚に押し当ててみると,力の強さに従って窓から皮膚が盛り上がってくると思います.この皮膚の盛り上がりをフォトリフレクタで計測すれば,間接的に加わっている力を算出することができます.このテクニックは,圧力センサが手元にないときや,安くセンサを作りたいとき,小型にセンサをしたいときに便利です.また対象が柔らかくなければいけないので,今センサに柔軟物が触れているのかそうでないものを切り分けるときにも使うことができます.


図:皮膚の盛り上がりを計測することで力を算出

 早速実装してみます.テクニック1とテクニック2で使った
フォトリフレクタモジュールをそのまま使います.次に窓が開いたフレームを作成してフォトリフレクタに取り付けます.取り付けるときに,フォトリフレクタが窓から全部顔がでてしまわないようにするのがコツです.そしてArduinoにプログラムを書き込んでProcessingで表示してみます.指を窓にあてて力を加えていくとそれに従ってセンサ値も変化していくと思います.


図:窓に指をあてて力を加えていくとセンサ値が変化していく動画

 さらにこれを指輪状にすることで,指をどのぐらい曲げたかどうかを計測することもできます.これは指を曲げた量に合わせて皮膚が膨張してくので,それを硬い素材で覆うと隙間から皮膚が盛り上がる現象を利用します.


図:指輪型にすることで曲げ動作を計測

 もう少し詳しい情報はこちらをご参考にください.

[戻る]


テクニック5:皮膚に加わるせん断力を計測する

 皮膚表面に加わる剪断力の力をフォトリフレクタを使って計測するテクニックを紹介します.これは,腕にバンドを巻き付けて剪断力を与えると,肉がバンド付近に寄って盛り上がるため,これをフォトリフレクタで捉えることでせん断力を計測することができるというものです.この手法を使えば簡単に皮膚をインタフェース化することができます.


図:皮膚の盛り上がりでせん断力を取得する方法


動画:せん断力の計測

[戻る]


テクニック6:眼鏡で表情を認識する

 眼鏡に埋め込まれたフォトリフレクタを用いて顔の皮膚の変形を取得すると表情を認識することができます.


動画:眼鏡デバイスによる表情認識

[戻る]


テクニック7:ぬいぐるみの手足を動かす

更新作業中!

[戻る]


テクニック8:紙を動かす

更新作業中!


[Home]

Copyright (c) 2008-2012 Yuta Sugiura